食べたことを忘れたり、同じ話を繰り返したりするのはまだしも、通い慣れた道で迷ったり、ガス栓を閉め忘れたり、怒りっぽくなったり、家族を忘れたり、徘徊したりするのは、人を陰惨にするだけでなく、危険に曝しさえする。
WHOによれば、世界のアルツハイマー病患者は2010年の時点で3,500万人を超え、その数は20年ごとに倍になるという(Dementia: a public health priority)。
20年後には根本的な治療法が確立されるという希望的な予測もあるものの、根治療法薬として期待されていたファイザー製薬のバピヌズマブは、臨床試験によって効果がないことが確認されたという(米ファイザーとJ&J、アルツハイマー病治療薬の開発中止)。