3人暮らし

日曜、実家での静養を終えて、妻が帰ってきた。
やはり一人暮らしと二人は違うものだ。
食事に野菜が入ったり、家がきれいになったり、仕事から帰ってくると家に明かりが灯っていたり。

その妻が一昨日、産科でお腹の子の超音波検診を受け、ビデオをもらってきてくれた。
妊娠6ヶ月に入ったその子は、口をむにゃむにゃと動かしたり、足をゆらゆらと動かしたりしていた。
そんな様子が、白黒の断層画像からもよくわかる。
何とも不思議な感覚だ。
画像が劣化しないように、デジタルメディアにコピーしておかねば。

民宿「むろや」

昨日の昼休み、民宿「むろや」に電話して8月19、20日の宿の予約をした。
8月20日のトライアスロン珠洲に出走するためである。

レース前日に競技説明会やバイクチェックなどがあるので、この日は宿泊することになる。
当日は朝7時にレーススタートで、競技終了は16時過ぎ。
9時間近く運動し続けた後に、能登半島のてっぺんから車を8時間近く運転して帰る自信がない、となると、この日も泊まらねばならないだろう。

電話に出た女将と思しきおばさんは、人のよさそうな感じの話し方だった。
「相部屋になるけどええかねぇ？」
個室がいいかな、と思ったが、他のトライアスリートと相部屋で交流するのも悪くないか、とも思う。

費用は、1泊2食付で6,500円とのこと。
まずまず、といったところか。
日本海で取れた海の幸が楽しみだ。

今週は調整の週で、比較的楽なトレーニングメニューだった。
来週からの3週間は、最もハードな内容になる。
最終週のトレーニング計画は、合計13時間15分。
1日平均で2時間近くだ。
気合を入れてかかるとしよう。

月、雲、河

昨日、トレーニングのため仕事帰りに走って自宅まで帰ることにした。
まっすぐ帰ってしまうと10km程しかないので、遠回りして距離を稼ぎ20kmのコースを計画する。

スタートは市街地で、街灯やネオンの中を走る。
しかし途中から、そこから離れた河沿いのコースに入った。
周りに明かりはほとんどなく、光が遠くに見える。
場所によっては、足元すらよく見えない。
黙々と無人の道をひたすら走っていたら、突然人影が現れて背筋がヒヤっとすることも。
GPSを持っていたとはいえ、足元も見えず人影に恐怖するような道を走るとは、我ながら無謀なことをしたものだ。

人通りも明かりもないところを走っていると、あるのは月の光と、それに照らされた薄い雲と、静かに流れる河だけだ。
人ごみの中、自宅と職場とを往復する日常だが、そこには私にとって明らかな非日常があった。
街灯もなく、人間もいなかった頃の夜には、空には月明かりと、それに照らされる雲と、地球の大地を静かに流れる河だけの風景があったのだろう。
今も、人の手が入っていないところでは、そんな風景が広がっていて、それが日常であるに違いない。
そんなことを思いながら、黙々と走った。

スタートから1時間半を過ぎると、ようやく街灯と自宅の周辺の風景が近づいてきた。
自分の「庭」、日常の世界。
「やっと帰ってきた」という安堵感に包まれた。

無重力、再び

私の所属研究室は、宇宙生物学の研究を行っている。

今年の秋に、航空機内で微小重力状態を作り出す「パラボリックフライト」を用いて、植物の重力感知機構を調べるプロジェクトが予定されている。

プロジェクトの担当者が実際に航空機に乗って実験を行うのだが、そのバックアップ要員として登録しないか、と助教授にほのめかされた。

実験当日に担当者に何らかの不調が起こるのは考えにくいのだが、宇宙関連のプロジェクトに関与できるのはうれしい限りだ。

私はかつて（かれこれ5年前になる）宇宙医学実験の被験者としてパラボリックフライトに搭乗し、微小重力を体験しているので、「久しぶり」という感じだ。
今度は搭乗しないにせよ、応援に行くことぐらいはできそうだ。

Half way there

今週（正確には先週）始めから「週末は雨になる」と天気予報で言っていたので、頭を悩ませていた。
今週末は重要なトレーニングが計画されているからである。

計画は、土曜にswim: 1:15、bike: 3:30、日曜にrun: 2:30。
アイアンマンレースに向けた体力アップに、欠かせない内容だ。
仮にこれを全くしないとすると、体力アップはおろか、積み上げてきたものがむしろ衰えてしまいかねない。

しかし、ありがたいことに、天気予報は必ずしも当たるわけではない。
気象予報士試験で勉強した知識によると、2004年の9月から気象庁の数値予報モデルは精度が高いものにアップデートされているのだが・・・
数日前の予報では週末にまとまった降水が見られるはずだったが、幸いにしてほとんど雨は降らなかった。
むしろ、適度に曇っていたのでトレーニングには都合のよいコンディションだ。

まず、土曜の午前中は専門学校で講義。
昼に講義が終わると、コンビニで買ったフードをほおばりつつ、市民プールに向かう。
1時間15分で、2.2km泳いだ。
休み休みなので、それほどキツいペースではない。
この後のbikeにつなげなければならないからだ。

プールから自宅に戻る途中に、薬局で筋肉痛用のゲルを買う。
先週bikeで3時間走ったときに、肩と首がコリで痛くなったからである。
準備を整えてbikeに乗る。
3:34'03''で90.04km走って、bikeの最長記録を更新。
途中2時間半を超えると、肩と首がこりだした。
トライスーツの背ポケットに忍ばせてあったゲルを使って、痛みを軽減させながら走った。
これは本番のレースでも使えそうだ。

18時半に家に帰ってシャワーを浴びる頃には、流石にぐったりする。
しかし、今日は19時からテニス仲間と飲み会の予定。
身支度を整えると、休む間もなく地下鉄に乗って会場に向かう。
まるで1日がトライアスロンである。

30分遅れで会場に着く頃には、ぐったり状態からは回復していた。
24時過ぎまで、仲間たちと楽しいひと時を過ごした。


昨日の疲れもあってか、今日は昼近くまでぐっすりと眠った。
起きたはいいが、食料が底をついていたので、近所のスーパーに買出しに行く。
ブランチを取ってしばらく休むと、今週最後のトレーニングであるrunにかかる。
2:29'04''で25.00kmを走り、25km走の最速記録を更新。
途中公園で給水する計画だったが、なんと蛇口の調子が悪くほとんど水が出ない。
口渇・脱水と戦いつつ、水なしで2時間半走った。

今週末は、swim: 2.2km、bike: 90km、run: 25kmをこなした。
去年の春に始めた頃は、swimは50m泳ぐことが苦しく、bikeは転倒しないようにおっかなびっくりで走り、runは10km走るのがしんどかった。
それを振り返ると、感慨深いものがある。
今、私の体力は生まれて以来最強の状態にあると言っていいだろう。

しかし、この距離はまだアイアンマンレースの約半分に過ぎない。
12月3日に出場するアイアンマン西オーストラリアでは、swim: 3.8km、bike: 180km、run: 42.195kmを、17時間以内に走破せねばならない。
来たるべき日まであと189日、半年あまりでその力をつけねばならない。