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DATE : 2010.05.22 (Sat) 01:39
「宇宙でいま、日本人が初めて仕事をしています!」
信じられないくらいクリアな青い地球と、一目で無重力と分かる、ふわっと浮かんでいる毛利さんの映像がテレビで生中継されていた。
今でもあの美しい青と白が、私の脳裏に焼きついて離れない。
1992年9月12日。

よく晴れた昼下がり、学生たちがまばらに談笑している地方大学の食堂で、20歳のちっぽけな少年はひとり座ってその映像を反芻していた。
それまで宇宙飛行士といえば、事実上ソ連とアメリカのエリートパイロットだけがなるものだった。
そんな時代が終わり、自分と同じ日本人がいま、世界のエリートたちと肩を並べて宇宙で活躍している――。
大変に衝撃的な事実に、少年の心は激しくゆす振られた。

高い飛び込み台の上に立って、はるか下を見下ろしながらいつ飛び込もうかと迷っている状況に似ている。
7、8歳の頃、心身ともにひ弱な少年は、小学校の文集に平仮名ばかりのへたくそな文字で「ロケットに乗って宇宙に行きたい」と書いた。
小学生の夢は、非現実的でも「立派だね」と褒めてもらえる。
しかし、成人して自己の言動に対する多少の責任を身につけ、かつ自分の力が大したものでないことを正しく認識している人間にとって、いま彼がしようとしている決断はとてつもなく大きなものだ。

食堂の椅子に座したまま、どれくらいの時が経っていただろうか。
今から自分がしようとしていることを本気でやり遂げようと思うなら、それは並大抵のことではない。
どれほど大きな困難が待ち受けているか分からない。

それでも彼は、自分がちっぽけなままで終わるのは嫌だと思った。
「失敗すれば無残に違いない。しかし、仮にそうだったとしても、挑むこと自体に意味があるんじゃないか?」
そう思った瞬間、少年は意を決して飛び込んだ。
「宇宙飛行士になる。」

覚悟を決めると、彼はとてもすがすがしい気持ちになった。
これから自分がどこへ向かえばいいかがおぼろげながら分かり、この世がこれまでと違って見える。
なんと心躍ることだろう、自分は大志を抱いている!

そのとき彼はまだ知らなかった。
その決意がこれからどれだけ大きく彼を変えていくかを。
そして、16年後の宇宙飛行士候補者選抜に応募し、その結果がどうなるかを。

第2話に続く)

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