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DATE : 2006.12.10 (Sun) 11:12
先日の出来事について語ろうとすると、本一冊くらい書けてしまいそうだ。
それは他の機会に譲るとして、ここではそのストーリーをもう少し簡単にまとめることにしよう。



2006年12月3日午前3時。
オーストラリア・バッセルトン。
こんな早朝に起きるのは、6時15分のレーススタートに間に合わせるためだ。
外は真っ暗で、星がよく見える。
オリオン座はいつもすぐに見つけられが、星図にあまり詳しくないのでサザンクロス(南十字星)は分からない。

まずは食事を取る。
レース中にハンガーノック(エネルギー切れ)を起こすのは致命的。
だから、食べることもレースの一部なのだ。
シリアル2箱と牛乳と、バナナとマフィンとアップルジュース。
昨日の夜はナシゴレン(タイのスパイシーなチャーハン)を食べた。
レースで効いてくるのは、蓄積された炭水化物だからだ。

暗闇の中、ホテルからレース会場まで5分ほど歩く。
ボディーナンバリングをしてもらったり、バイクのタイヤに空気を入れるためだ。
係員の対応が始まるまで待っていると、見る見るうちに数十人ほどの列ができた。



12月といえば南半球では夏。
昼間の太陽は強烈で、直射日光を受けると暑い。
しかし、日陰に入って風が吹いていたりすると寒いほどだ。
湿度が低いからだろう。

夜はなおさら寒い。
幸いにして今日は風がないようだ。
真っ暗で若干寒い中を、今から始まろうとするレースに思いを馳せるトライアスリートたちが待っている。

20分ほど待つと、柵が開いて私たちは通された。
まずボディーナンバリングをされた。
といっても、今回のレースではレースナンバーではなく、エイジグループを表すアルファベットだけを右のふくらはぎに書かれたのだが。
マジックで体にレースナンバーを書くのは、トライアスロンで象徴的な行事。
これがないのは、さびしいのを通り越して、少し不安なくらいだ。

続いてバイクに空気を入れに行く。
空気が冷たいので、サドルに水滴が付いている。
なんとこの時点でパンクに気付く人もいる。
「まぁ、レース中にパンクするよりはマシか。」
そんなことを思いながら、シューシューと自分のバイクに空気を入れる。
このために、わざわざ日本からフロアポンプを持ってきたのだ。



(回想録-2に続く)

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