不安：恐るべき負のエネルギー

世の中には、人に不安を抱かせる様々な出来事がある。
というよりも、人はいろんな物事に対して不安を感じる、と言う方がより正確だろう。
最近では、「ローマが地震で消滅する」というデマで、ローマの住民がパニック状態になったらしい。
ローマは消滅しなかった――大地震の「予言」で住民パニック

似たようなことは、世界の至る所で見られる。
福島の原発事故後に大気中の放射性物質濃度が上がったことから、海を隔てた中国やアメリカでも甲状腺がんを恐れてヨウ素剤を買いに走る人が続出したとか。
このようなことは、どこでも、いつの時代にも起こって来たのだろう。

この現象の本質は、物事の理解が不十分であること、あるいは誤っていることから不安という感情が引き起こされることにある。
放射性物質のレベルが低いときにヨウ素剤などを飲んでは、逆に健康を害するだろう。
地震デマにより、脱出を図る車でローマの道路は混雑した。

根拠のない不安は、自分自身を害する。
さらに悪いことに、往々にして他人にも害を及ぼす。
人間の不安という感情が、なんという有害なエネルギーと力を生み出すことか。

その意味で、「理解する」ということは本当に大切だ。