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DATE : 2010.09.22 (Wed) 18:00
今日の午前は、職場の「科学研究費の申請書の書き方講座」に参加した。
数日前にその通知を受けたとき、直感的に将来これが役に立つと思ったからだ。

大学の研究者は、自分の研究を行うために研究費を取得しなければならない。
研究者の業績は、行ってきた研究の質もそうだが、取ってきた研究費によっても評価される。
賞金稼ぎが、上げてきた賞金首で評価されるのに似ている。
違いは、賞金稼ぎは首級を上げれば仕事は終わりだが、研究者は「賞金」を得たところから仕事が始まることだ。

今回の講座では、「いかにして賞金を稼ぐ」かについての思想と戦略を学んだ。
一つ目は、「もらった研究費は大切に使う」ということ。
例えば、大学から研究費をもらった場合、それは大学から借金をしているようなものであり、それに報いるだけの研究をきっちりしなければならない。
それは当たり前のことだが、「釣った魚にエサはやらない」的な人も少なくない。
目上の人に「恩をきっちり返す」ことの大切さを教えられるというのは、この世には真っ当な人たちがいるということを気づかせてくれて、とても安心感がある。

二つ目は、「戦局をつかむために労を惜しまない」こと。
私はつねづね人の役に立つ研究をしたいと思っているが、どうしたら人の役に立てるかを知る方法を知らなかった。
例えば、環境問題に関して国がいかに取り組んでいくかについては「環境白書」に書いてある。
日本という国、あるいはこの世界、さらには地球が抱えている問題が何であるのかについて、自分の頭の中で整理されていなければならない。
そうすることで、「人の役に立つ」ためにどうすればいいかが見えてくる。

三つ目は、研究費の取得を「祈る」ということ。
科学者が「祈る」とはなんと非科学的な、と思われるかもしれない。
しかし、物事の成就を心底願うとき、やれることをすべてやったあとにはもう祈ることしかない。
逆にいえば、祈ること以外に可能なことは、すべてやってしまわなければならない。
日本のH-IIロケットの打ち上げでも、あらゆる人事を尽くした後には神社(だったと思う)に祈願に行くそうだ。
恥ずかしいことに、私もこれまで20くらいの研究費の申請書を書いてきたが、その成就を「祈った」ことはなかった。
落ちて当然というものだ。
自分の仕事で「祈る」ことができなければ、大したものにはなるまい。


今まで自分が「海図のない航海」の中にいる気が漠然としていた。
今日の講座で、目指すべき目標が見えた。

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