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DATE : 2011.03.31 (Thu) 02:15
第47話より続く)

彼がIACの派遣プログラムでフランスに行く数週間ほど前、願ってもない話が持ち上がっていた。
彼が所属する環境医学研究所の某研究室の助教授が、宇宙医学の実験の被験者をやらないか、というのである。
その話に対し、彼がこう答えることは容易に想像できる――「ぜひやらせてください!!」

その研究室の宇宙医学実験とは、パラボリックフライトを用いて無重力状態における自律神経活動の記録を行うことである。
パラボリックフライトとは、放物線(parabola)軌道を描くように飛行機を飛ばすことにより、人工的に数十秒間の無重力状態――正確には微小重力状態――を作り出すことをいう。
宇宙飛行士の訓練の一環として行われるこのフライトは、少なからぬ人が嘔吐を催すので、NASAでは”vomit comet”(嘔吐彗星)とあだ名される。

環研に大学院生として入ってからそう経たないうちにパラボリックフライトの存在を知った彼は、是非ともそれを体験してみたいものだと常々思っていた。
実は1年近く前にMGLABの「無重量セミナー」――それは、彼にIACの存在を知らしめた運命のイベントである――に参加したときも、彼は宇宙医学の研究をしている教授に「パラボリックフライトの被験者を募集していたらぜひさせて下さい」と申し出ていたのだが、目下のところその予定はないと聞いて残念に思っていたのだ。
宇宙医学の被験者としてパラボリックフライトを経験したという経歴は、将来受験するであろう宇宙飛行士候補者選抜で多少は有利に働くかもしれない。

2001年10月11日、運良く好天に恵まれた彼は、小牧空港で当日の実験についての詳細なブリーフィングを受けると、パラボリックフライトを行うGulfstream IIに乗り込んだ。
放物線飛行というのは、2Gの加速度で急上昇した後にエンジンの出力を切って0G状態を作り出すというややアクロバティックな飛び方だから、普通の飛び方よりはリスクが高い。
実際にフライトに入る前に、彼は危険を承知している旨の同意書を書くことを促されたが、仮に事故に遭ったとしても、宇宙医学の実験でならば彼の本望だろう。

このフライトで無重量実験を行う研究グループは、環研の他にもう一つある。
2Gと0Gを交互に十数回繰り返すパラボリックフライトでは、被験者が重度の吐き気を催して実験の継続が困難となった場合、飛行を中止して空港に戻ることがあるという。
このフライトはたった1回でも多大な準備と費用を必要とするから、もし彼がひどい吐き気などを起こそうものなら、環研だけではなくよそのグループにも大変な迷惑がかかってしまう。

吐き気を起こさないよう十分に睡眠をとり、食事は軽めに取ってきた彼だが、果たしてその結果や如何に?

第49話に続く)

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