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DATE : 2011.06.23 (Thu) 03:35
『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』を読了した。
タイトルだけやたら人の注目を集めるものの、中身はスカスカという本も少なくない。
実は読み始めはこの本を若干ナメていたのだが、読み進めるにしたがって、それが失礼な勘違いだと気づかされた。

この本には、中小企業をいかにうまく経営するかについての簡潔で直ちに使えるノウハウが詰まっている。
ちなみに大学の研究室も人数の規模はせいぜい数十人なので、中小企業に大いに通ずるところがある。
本で紹介されていた術を、職場の研究室で応用できそうだ。

本文中に「社員の立場から見ると、会社の利益が増えたら、立地のいい、キレイなオフィスや、あるいは立派な社長室に投資してもらうよりも、自分の給料に還元される方がうれしいのです。」というくだりがある。
大学の研究室の学生さんは、企業で言えば社員に当たるが、彼らは給料をもらって雇われている身ではない。
学生に金を払ってモチベーションを上げるというわけにはいかない。

では、金銭以外のインセンティブが何かあるか?
研究室の活動でいえば、それはやはり意義ある研究成果を出すということだろう。
そして形として残る成果は、やはり研究論文だ。

論文──それも国際誌の──を書くのは結構大変なので、学生さんにはそれはハードルが高いだろうと、今まで勝手に考えていた。
しかし、よくよく考えれば、医学部の学生というのは、かなりポテンシャルが高い。
自分の行った研究が、自分自身の業績として学術論文という形で科学史に残るのなら、その困難を乗り越える大きなインセンティブになるのではないか?

この本にヒントを得て、これからの研究室の運営について様々なアイデアが湧いてきた。
いつもなら寝ている時間なのに、まったく眠気が起こらない。
どうやら興奮して寝付けなくなってしまったようだ。


日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
山本 敏行
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