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DATE : 2012.07.21 (Sat) 21:15
日本では、「大学が優秀な人材を輩出している」と感じる人は少ない。

教育とはよりよい生き方を示すことであって、それによって社会が豊かになる。
がんについて学ばなければ治療はできないし、情報技術について学ばなければ便利なネット環境は構築できない。
したがって、高等教育を担う大学がその機能を十分に果たしていないというのは、由々しき問題なのだ。

では、何が原因なのか?
金子元久著『大学の教育力』によると、それには少なくとも3つの理由がある。

大学の教育力―何を教え、学ぶか (ちくま新書)
金子 元久
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一つ目は、大学教員は一般に研究の能力によって採用されているため、必ずしも教育に対するモチベーションが高いわけではないことだ。
私の経験でも、学生の面前で「(教育は)雑用だから」とうそぶく教員すらある。
教員は、講義で自分の専門分野に関して話す。
問題は、知識の量が爆発的に増加し、研究領域があまりに細分化されている現代では、個々の専門分野の知識が必ずしも学生の役には立たないことだ。
したがって教員は、学生の能力を伸ばすためにいかに講義や教育課程をデザインするかをよく考えなければいけない。
個々の教員が教育の重要性を信じ、真摯に取り組まないことには大学教育の改善はない。
これは、大学教員である私自身がするべきことでもある。

二つ目は、日本では大学のあるべき姿について社会的なコンセンサスがないことだ。
日本企業は大学教育に期待していないとしばしばいわれるが、では逆に大学に対してどうして欲しいかという提言は聞かれない。
子供を大学に入学させる親からも、「よいところに就職できること」以外に具体的な要望はないのではないか。
「どう教育すれば学生がよい人生を送れるか」について大学が考える必要があるのはもちろんだが、それは企業や家庭など社会全体で考えるべき問題でもあるのではないか。

3つ目は、コストの問題である。
アメリカは、生産性の指標である一人当たりGDPが日本の約1.3倍だ。
つまりアメリカ人は日本人よりよく稼ぐのだが、その一方で、教育に対して日本の倍の費用をかけているのだ。
低コストで効果を上げたいとは誰しも考えることだか、しかしある程度の投資をしないことにはよいリターンも期待できない。
食事にしろ服にしろ、よいものにはそれなりのお金がかかるものだ。

教育の究極の目的は、よりよい生き方を示すことである。
教育の仕事とは、社会を豊かにする人材を育成することだ。
これ以上に大切なこともそうそうないと思うのだが、不思議なことに、日本では教育というものの位置づけが低い。
これでは、自分で自分の明るい未来を否定するようなものだ。

より豊な暮らしを送るために、大学教育をいかに改善するか。
よく考え、そして実践していかねばならない。

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