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DATE : 2013.01.16 (Wed) 00:17
以前より気にかかっていた、社会現象とまで言われたエヴァンゲリオンを、ようやく観た。
映画の 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』ならばてっとり早く筋が理解できるかと思いきや、序、破、Qと観てもまだまだ本質がつかめない。
これはオリジナルTVシリーズを見る必要があるということになり、結局DVDで『新世紀エヴァンゲリオン』の全エピソードを観てしまった。

加持曰く「真実は、人の数だけ存在する」。
したがって、私独自のエヴァ解釈があってもよかろう。
私にとって、エヴァンゲリオンとは「人がいかにして生きるか」についての物語だ。

Episode 20’では、ミサトやアスカやレイやユイの姿を借りて「何を願うの?」という問いが主人公シンジに発せられる。
これはそのまま、劇を観ている私たちに「この世界に何を望むのか」を問うている。
それは「人がいかにして生きるのか」ということの別の表現である。

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最終話「まごころを、君に」でシンジが置かれた状況は、二択ではないかと思う。
第一の選択は、ATフィールドを捨て、ヒトの形を捨てて、自分と他人との境界のない、したがって争いや対人関係の苦しみが一切ない、LCLの海、エデンの園に還っていくこと。
第二の選択は、ATフィールドを持ち、ヒトにとどまり、自己と他者の存在する、したがって争いも対人関係の苦しみも存在する、いわば我々の日常に戻ること。

ゼーレが目指している第一の選択も捨てがたい。
ヒトの形は失ってしまうが、なにせ他人との衝突が一切ない、というよりは、境界なくあらゆる他者と融合している、争いごとなど起こりようのない、平和な世界だ。
この世界は、劇中ではシンジとレイがLCLの海の中で性的結合をしている状態として描かれている。

しかしシンジは第一の世界を見たのち、「何か違う気がする」といって第二の道を選ぶ。
結局我々にとっての日常を選択するのである。
なんだかがっかりな気もするが、これももっともなうなずける選択だと私は思う。

なぜならば、自己が存在しない世界では、愛することも、希望することも、夢を見ることもできない。
常に他者と融合している世界では、愛など存在しない。
あらゆる要求が満たされている世界では、希望という概念など存在しえない。

夢について、シンジとレイは次のように語る:
シンジ「じゃあ、僕の夢はどこ?」
レイ「それは、現実の続き。」
シンジ「僕の、現実はどこ?」
レイ「それは、夢の終わりよ。」

このやりとりを「夢が無残に打ち砕かれて現実に引き戻される」ことだと解してしまうと、この世は地獄になってしまう。
しかし、人生を「満たされない現実から夢が生まれ、その夢が達成されて現実となる」というサイクルの繰り返しと見るならば、この世は希望に満ちている。
Finaleで伊吹が言うように、「現実を見る角度。置き換える場所。これらが少し違うだけで、心の中は大きく変わる」のだ。

それに私は、死後の世界とは結局第一の選択の世界ではないかと思う。
我々人間が死ぬと、身体を構成している物質は焼かれるなり腐るなりして、最終的に自然に還っていく。
土なり海なり空気なりに変わっていくそのさまは、まさに自己と他者の境界の存在しない世界への移行だ。

ヒトの形を失って自然に還っていくことを、私たちは死と呼ぶ。
しかしこれは、考え方によっては新しい存在形式の始まりでもある。
自己も他者もすべて融合し、争いのない平和な世界は魅力的だが、わざわざ今これを選択しなくても、いずれ我々はそこに還ってゆく。


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: Q』には、エヴァの世界が打ち砕かれたとか、意味不明というようなネガティブなコメントも多く聞かれるようだ。
しかし私は、エヴァンゲリオン、あるいはヱヴァンゲリヲンは、自己の意思を持って生きようとする人間への讃歌だと考える。
Qは、繰り返す世界の円環の中で語られる、『新世紀エヴァンゲリオン』のアナザー・ストーリーだと思って観ればおもしろい。

おそらく数年後になる次作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に、大いに期待している。

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