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DATE : 2010.11.01 (Mon) 18:41
米科学誌Science(世界トップレベルの科学雑誌)に、おもしろい記事が出ている。
「心はどこにあるか?」という問題について。

現代人の多くは、「心はどこにあるか?」という問いに対して「脳」とか「頭」と答えるだろう。
何を隠そう、私もそう思っていた。


ところがScience誌によると、「心が身体の特定の場所に存在する」という支配的な説に対して、近年異論が唱えられている。

例えば、家の最寄り駅について考えるとき、人は地図を頭に思い浮かべたりはしない。

普通は、「あの角を曲がって、真っすぐ行って」というように、現実の街の姿を思い浮かべる。

つまり、最寄り駅について考えるとき、その周囲の街並みは切っても切れないものなのだ。

私の解釈でいえば、駅への道を考えるとき、心は頭の中だけでなく周囲の街そのものへと拡大している。

ハワイに行きたいときに「心はもうハワイ」などというのは、まんざらウソでもないかもしれない。


Science誌に載っていたもう一つの分かりやすい例は、忘れないようにメモを紙に書く場合だ。

例えば、今日起こったことを日記に書くとして、3年後にその出来事を思い出せないことは往々にしてある。

ところが、書いた日記を読めば、その時の記憶がありありとよみがえってくる。

簡単にいえば、「記憶」という心の働きは、「日記」という明らかに私達の身体の外にある物体なしにはあり得ない。

極論すれば、日記帳も人の心の一部だ、ということになる。


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となると、ネットとコンピュータという途方もない外部記憶装置を使う現代人の心は、恐ろしく拡大していることになるのだろうか?

たまに考えるのだが、映画「アバター」に出てきたナヴィ族と自然との結合は、我々地球人にとっては人間とネットとのつながりに相当するのではないか?

残念ながら、イジメ掲示板や有害サイトなどのせいで、我々とネットとのつながりはナヴィと自然とのつながりほど美しいものではないが・・・。


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アメリカの作家ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』は、私の愛読書の一つだ。

ヒルによると、思考とは外界を変化させるエネルギー。

これを読んだときは「うぅん、そうかな」程度に思っていたが、今回のScienceの記事を読むと、ヒルの言っていることが現実味を帯びてくる。

つまり私の解釈でいえば、人が物事の成就について考えるとき、その思考は既に外界に働きかけている、ということ。

現代人の常識でいえばバカげた考えかもしれないが、それを完全に否定する根拠がないのも事実ではないか?

それに、「物事の成就を祈るとき、その祈りは既に世界を動かしている」というのは、なかなかステキな世界観だ。

いずれにせよ、「心はどこにあるか?」という問題に対する、今後の科学的な解明に期待したい。

あ、人任せじゃなくて、自分でも考えないとね。。

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