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DATE : 2011.11.08 (Tue) 00:26
私が好きな作家・塩野七生の「ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) 」を読了した。

この本を読んで感銘を受けたことが2つある。
一つはローマ人の偉大さ、もうひとつはカエサルの人間的魅力だ。

ローマ人が凄いと思うのは、相手の国に素晴らしいものがあると認めれば、戦いで破った国であってもそれを取り入れた点だ。
現代社会では、他国の思想や行動を気前よく認めて取り入れるという寛大さを見ることが稀なように思う。
チャンコロとかファビョとか言って悪態をつくのは簡単だが、そこからは何も生まれないどころか、健全な社会を目指す観点からすれば有害以外の何物でもない。

国に限らず、自治体や会社や団体などの組織が繁栄するには、他者の優れた点を謙虚に認めるという姿勢が大切だろう。
これは組織だけでなく、個人に関してもいえると思う。
塩野七生曰く「ローマ人の性向は、しばらくは争っても結局は、共存共栄に向かうのである。これが、ローマ人に帝国創立とその長期維持を許した要因ではないか。」

長く繁栄するための秘訣がここにある。
他の言い方をすれば、組織をうまく運営する方法、人としてよりよく生きる方法がここにある。


カエサルは大胆な人物であったことで知られる。
例えば、古代ローマで元老院派が権勢を振るい民衆派が弾圧されていたとき、カエサルは自分が民衆派であることを敢えてアピールし、民衆の心を掴んだという。
運命の女神は大胆な人物に微笑みかけるようだし、大胆であることが女心を掴むようだから(笑)、男は大胆でありたいものだ。

またカエサルがいかに偉大な人物であったかは、政治家・軍事司令官として神がかり的手腕を発揮し、超大国ローマを再統一して後の長い平和の礎を築いたことを鑑みれば、異論の余地もあるまい。
仕事がデキるというだけであればそれほどでもないが、カエサルが魅力的なのは、借金までしてダンディーを演出し、女にモテまくっただけでなく、どの女からも憎まれなかったことだ。
人物を語るとき、大抵の人物は何らかの非を責められるものだが、カエサルに関して言えば、研究者も例外なくぞっこん惚れ込んでしまうんだそうだ。

権力があり、仕事ができて女にモテるというのは、すべての男の憧れに違いない。

慎重であることは一つの能力だが、慎重か大胆かどちらかを選べと言われたら、私は大胆を選ぶ人間でありたい。
あなたはどう思いますか?


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