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DATE : 2011.11.26 (Sat) 15:06
週刊 ダイヤモンド 2011年 11/12号の「家電淘汰!」特集を読んだ。
日本が下り坂であるという警告はしばしば聞かれるが、この記事を読むと、このままでは危ないという切迫感を切実に感じる。

テレビをはじめとする家電製品といえば日本のお家芸で、その稼ぎは日米貿易摩擦が起きるほどの盛況ぶりだった。
ところが最近は、冷蔵庫もテレビも電子レンジも、その他諸々の電化製品も、昔の勢いが嘘のように輸入超過である。
ソニーや日立などの日本を代表する大手家電メーカーが輸出で大きく稼ぐという図式は、もうとっくに過去のものになってしまった。

その原因として円高や高い人件費が挙げられるが、それに加えて無視できない本質的な理由があると私は思う。
それは、一言でいえば、正しい現状認識の欠如だ。

週間ダイヤモンドの記事によると、韓国の家電メーカーに役員としてヘッドハンティングされたある日本人は、ある日突然「来月から会社に来なくていい」と通告されたという。
そんなムチャクチャな話があるか、と普通の日本人なら考える。
ところが韓国メーカー側は、「あなたは日本人だから『来月』だが、他の人なら『来週』から来なくていいと伝えている」と返したという。
これを韓国メーカー側の対応の非と考えるか、日本人役員の能力の非と考えるか。

他の例では、中国ハイアールによる三洋電機の洗濯機・冷蔵庫事業の買収がある。
三洋電機側は、買収の条件として給料体系と企業年金の維持を求めた。
これも日本人としては至極当然のように思われる。
しかし、ハイアール側の社員からすれば、実績も出さないうちから待遇が約束されると考えるのは「甘さ」に他ならない。

このような兆候は、日本中の至るところで見られる。
例えば、我々日本人はたいてい「大企業の正社員になって終身雇用のポストに就けば生涯安泰だ」と考える。
しかし今は、その大企業とてグローバル競争の前で苦戦を強いられている。
そしてもう一つの根本的な問題は、終身雇用を安泰だと考えるということは、裏を返せば「業績が出せなくても大丈夫」という甘えがあるということだ。

現状のままではいけないということは、テレビやPCや太陽電池など、様々な分野で日本企業のシェアが低下していることが如実に物語っている。
週間ダイヤモンドの記事を読むと、我々日本人の甘えは世界では通用しないということがひしひしと感じられる。
これは家電業界に限らず、私が属する研究教育も含めあらゆる分野に通じることだろう。

もし自分が崖っぷちに立っていることを知れば、人は自分を守る方法を必死に考えて直ちに行動する。
しかしもっと恐ろしいのは、安全に思える大船に乗っていて、その船に少しずつ、しかし確実に浸水が進んでいくことだ。
しばらくは船は進み続けるが、何も手を打たなければ待っているのは確実な沈没だ。

早めに気づいて策を打てばそれは免れる、と私は信じたい。


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