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DATE : 2010.12.02 (Thu) 02:40
●性同一性障害小6男児、中学も女子生徒として通学

心の性が、体の性と異なることで精神的苦痛を受ける人がいる。

一昔前では、彼らは精神的異常者かのように扱われてきたが(それは誤解だが)、最近ではその存在が広く認められつつあるようだ。


この問題の本質は何だろうか。

人間に対して、社会は男か女かいずれかの性別としてふるまうことを期待する。

その性別が、社会が決定する性別と異なる場合に、問題が生じる。


現代社会では、「人間は生物学的に男か女いずれかの性に分類される」という、暗黙の了解がある。

しかし、それは必ずしも当てはまらない。

例えば、外生殖器(「タマタマ」など)の構造によって性別を決めようとすると、生殖器の分化が完全でない場合(精巣と卵巣を同時に持つ真性半陰陽など)は判断に困ってしまう。

また遺伝学的には、一般的に性染色体がXX型であれば女性、XY型であれば男性とされるが、稀にXXYやXXYYなどの型を示すことがあり、ここでも完全な性別の定義はできない。

そもそも、「人間の性別は生物学的に一意に定まる」という仮定自体に誤りがあるのだ。

私がこれをはじめて知ったときは衝撃的だった。


次に、仮に染色体型が「一般的な」XXかXY型であり、生物学的に性が決定されても、自分が認識する性がそれとは異なる場合がある。

これがいわゆる性同一性障害だ。

その原因はまだ完全には解明されていないが、脳の分化が身体的な性と反対の性に進むことが考えられている。

これは本人の意思や努力とは無関係に起こることであって、その責任がその人にあるわけではない。

この事実も、私にとって衝撃的だった。


性同一性障害に関する問題の本質は、誤解にあるといっていい。

「人間は男か女かのどちらかに決まっていて、その性別の役割を演じるのが自然である」という誤解だ。

その誤解が解ければ、心の性と体の性が異なることで苦痛を受ける人はいなくなるだろう。


冒頭で紹介した記事によると、性同一性障害の男児は、女児として中学に進む。

つまり、少なくとも「彼女」の地元の教育委員会は性同一性障害について理解しているということだ。

今後も性同一性障害についての理解が広がり、精神的に苦痛を受ける人がいなくなることを期待したい。

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