category: 未選択
DATE : 2010.10.29 (Fri) 03:13
DATE : 2010.10.29 (Fri) 03:13
尖閣諸島をめぐって、日中関係が険悪の様を呈している。
仲が悪くなるのは残念なことだ。
が、これに関し腹を抱えて笑ってしまうような記事を、今朝見つけてしまった。
中国の人が使う日本人の蔑称に「日本鬼子」という言葉がある。
「鬼」という言葉は、中国では最上級の蔑みを示すそうだ。
中国の一部では「日本鬼子」のプラカードを掲げて反日デモが行われている。
ところがこれに対し、日本が誇る(?)オタク文化で反撃する運動が始まっている(記事)。
「日本鬼子」を「ひのもとおにこ」という萌えキャラにして、日本に対する批判の矛先をかわそうというのだ。
最上級の侮蔑を込めて「日本鬼子(リーベングイズ)」と罵倒したところ、
「これが日本鬼子(ひのもとおにこ)ですが何か?」と言ってゆるい萌えキャラを差し出されたら、相手も困惑するに違いない。
日本のオタク達が「ひのもとおにこ」の画像などをネット上で多数アップロードすると、どうなるか。
「日本鬼子」で検索したとき、上位にかわいい萌えキャラがたくさん出て来ることになる。
これでは本来の「日本鬼子」が見つかりにくくなり、侮蔑的な意味がなくなってしまう。
さらに凄いことは、「日本鬼子」と声高にデモを行う集団が、「ひのもとおにこ」という萌えキャラを崇拝する団体に見えてしまうことだ。
これ以上の皮肉と滑稽はあるまい!
オタク達のこのやり方に対し、
「反論したり、耐え忍んだりするのよりは遥かに良いな」
「これは日本の恥だよ」
と賛否両論あるようだが、中には
「ガンジーもビックリの、非暴力活動…」
「切り返しが天才の域。
歴史を紐解いても、大国の理不尽な批判に対してここまでの返しが出来た小国はない。
とても地味だが人類の歴史として記されるべきことではないだろうか。」
「これは凄まじい破壊力を備えた平和的兵器だ。
そしてこれなら誰も悲しまず、苦しまず、血を流さず、未来にとって歴史的な遺恨を残さずに済む。
ノーベル平和賞ものの世界的大発明と言わざるを得ない。」
と、絶賛するコメントもある。
尖閣問題が起こった当初は、馬渕国交相が中国側からの表敬訪問を断ったりとか、石原都知事が中国訪問をキャンセルしたりした。
「もっと冷静に対処した方がいいのに!」とハラハラさせられた。
ところがここに来て、オタクという一般市民からクールな動きが出てきたのはあっぱれだと思う。
「ひのもとおにこ」は、誰も傷つけない。
欧米の風刺画だと相手を愚鈍に描いたりすることが普通だが、それも一切ない。
不毛な煽り合よりよほど平和的だ。
今後、「日本鬼子」運動がどうなっていくか、注目していきたい。
仲が悪くなるのは残念なことだ。
が、これに関し腹を抱えて笑ってしまうような記事を、今朝見つけてしまった。
中国の人が使う日本人の蔑称に「日本鬼子」という言葉がある。
「鬼」という言葉は、中国では最上級の蔑みを示すそうだ。
中国の一部では「日本鬼子」のプラカードを掲げて反日デモが行われている。
ところがこれに対し、日本が誇る(?)オタク文化で反撃する運動が始まっている(記事)。
「日本鬼子」を「ひのもとおにこ」という萌えキャラにして、日本に対する批判の矛先をかわそうというのだ。
最上級の侮蔑を込めて「日本鬼子(リーベングイズ)」と罵倒したところ、
「これが日本鬼子(ひのもとおにこ)ですが何か?」と言ってゆるい萌えキャラを差し出されたら、相手も困惑するに違いない。
日本のオタク達が「ひのもとおにこ」の画像などをネット上で多数アップロードすると、どうなるか。
「日本鬼子」で検索したとき、上位にかわいい萌えキャラがたくさん出て来ることになる。
これでは本来の「日本鬼子」が見つかりにくくなり、侮蔑的な意味がなくなってしまう。
さらに凄いことは、「日本鬼子」と声高にデモを行う集団が、「ひのもとおにこ」という萌えキャラを崇拝する団体に見えてしまうことだ。
これ以上の皮肉と滑稽はあるまい!
オタク達のこのやり方に対し、
「反論したり、耐え忍んだりするのよりは遥かに良いな」
「これは日本の恥だよ」
と賛否両論あるようだが、中には
「ガンジーもビックリの、非暴力活動…」
「切り返しが天才の域。
歴史を紐解いても、大国の理不尽な批判に対してここまでの返しが出来た小国はない。
とても地味だが人類の歴史として記されるべきことではないだろうか。」
「これは凄まじい破壊力を備えた平和的兵器だ。
そしてこれなら誰も悲しまず、苦しまず、血を流さず、未来にとって歴史的な遺恨を残さずに済む。
ノーベル平和賞ものの世界的大発明と言わざるを得ない。」
と、絶賛するコメントもある。
尖閣問題が起こった当初は、馬渕国交相が中国側からの表敬訪問を断ったりとか、石原都知事が中国訪問をキャンセルしたりした。
「もっと冷静に対処した方がいいのに!」とハラハラさせられた。
ところがここに来て、オタクという一般市民からクールな動きが出てきたのはあっぱれだと思う。
「ひのもとおにこ」は、誰も傷つけない。
欧米の風刺画だと相手を愚鈍に描いたりすることが普通だが、それも一切ない。
不毛な煽り合よりよほど平和的だ。
今後、「日本鬼子」運動がどうなっていくか、注目していきたい。
PR
←クリック一発ずつ、清き
一票をお願いします!
一票をお願いします!
category: 未選択
DATE : 2010.10.11 (Mon) 23:58
DATE : 2010.10.11 (Mon) 23:58
昨日の夜にTVをつけたら、面白い番組をやっていた。
いろんな国の10歳の子供の生活を、ドキュメンタリー形式で紹介していくもの。
(ネットで番組名調べようと思ったら、過去の番組表って出てこないんだな。なんと不便な・・・)
インドの少女は、勉強している時間が一番楽しいと言っていた。
ウガンダの少女は、学校のノートが宝物。
シンガポールの少年は、ゲームを作って人に楽しんでもらうことに夢中。
学力世界一のフィンランドの子供たちは、勉強を楽しんでやっている。
ドミニカでは、経済的に裕福になるためには野球選手がほぼ唯一の方法らしい。失業率が高く学校を出ても職につける保証がないため、親も子供に勉強を勧めないとか。
狩猟で生計を立てるイヌイットの少年は、よいハンターである祖父を目指している。
日本の10歳の少年は、一番楽しいのは「Wiiをしているとき」だと言っていた。
ゲームが好きなのは悪いことではない。
私も、10歳の頃に夢中だったのはパソコン(当時は「マイコン」)だった。
ただ、この世界にはいろんな人たちがいて、私たちの生き方や価値観が人類全体の中ではとても偏っているんだな、ということをありありと感じた。
どの国の生き方がベストだ、というような「正解」はない。
私にとって、一番大切なものは何だろう?
いろんな国の10歳の子供の生活を、ドキュメンタリー形式で紹介していくもの。
(ネットで番組名調べようと思ったら、過去の番組表って出てこないんだな。なんと不便な・・・)
インドの少女は、勉強している時間が一番楽しいと言っていた。
ウガンダの少女は、学校のノートが宝物。
シンガポールの少年は、ゲームを作って人に楽しんでもらうことに夢中。
学力世界一のフィンランドの子供たちは、勉強を楽しんでやっている。
ドミニカでは、経済的に裕福になるためには野球選手がほぼ唯一の方法らしい。失業率が高く学校を出ても職につける保証がないため、親も子供に勉強を勧めないとか。
狩猟で生計を立てるイヌイットの少年は、よいハンターである祖父を目指している。
日本の10歳の少年は、一番楽しいのは「Wiiをしているとき」だと言っていた。
ゲームが好きなのは悪いことではない。
私も、10歳の頃に夢中だったのはパソコン(当時は「マイコン」)だった。
ただ、この世界にはいろんな人たちがいて、私たちの生き方や価値観が人類全体の中ではとても偏っているんだな、ということをありありと感じた。
どの国の生き方がベストだ、というような「正解」はない。
私にとって、一番大切なものは何だろう?
←クリック一発ずつ、清き
一票をお願いします!
一票をお願いします!
category: 未選択
DATE : 2010.08.13 (Fri) 18:20
DATE : 2010.08.13 (Fri) 18:20
twitterを見ていたら、原発に関するtweetに目がとまった。
「原発がどんなものか知ってほしい」という記事について。
原発の現場で20年間働いていた人が書いたものだ。
読んでいるうちに、私は何年か前にこの記事を読んだことを思い出した。
一言で言うなら、「もやもやとした、しかし確実な恐怖」。
衝撃的なことは、著者の平井さんは原発の放射能による癌のため、13年前に亡くなっているということだ。
原発は放射能を環境に放出し続ける。
だから発癌リスクが高まる。仮に全く健康でも「原発の近くに住んでいた」ということで差別を受ける。
原発自体も放射性廃棄物となるので、運転をやめた後に壊すことも放置することもできない。
原発問題に対する社会の態度は「臭いものには蓋」ということなのだろうか?
しかし、臭いものが蓋を抜け出して、土や空気や水や食べ物を汚染したら?
最悪の場合、蓋をブチ破って地球上にまき散らされたら?
平井さんが記事を書いた時代は、世界的に原発を減らす流れにあったと思う。
しかし、最近はアメリカを含め原発の利用が見直されてきているようだ。
「CO2を排出しない」「原油価格の影響を受けない」素晴らしいエネルギーだというのだ。
ここで、素朴で当然な疑問が浮かぶ。
平井さんのときと比べ、原発問題はどれくらい解決されたんだろう?
例えば、原発の修理のときはヒトが大量の放射線を浴びる。
場合によっては、数秒で許容線量を超えてしまうらしい。
当時はロボットが使えなかったということだが、今はどうなのだろうか?
また、平井さんによれば原発を作るのも点検するのも素人で、杜撰な管理体制だったという。
事故や故障も頻繁に起こり、あと0.7秒遅ければ核爆発を起こしていた事件もあったという。
今はどうなのだろうか?
原発問題に関し、私達が取りうる方法は少なくとも2つある。
一つは政治的解決で、原発の管理体制をしっかりすること。
もう一つは技術的解決で、作業ロボットや核処理技術などの開発を進めること。
もうひとつ言うなら、多くの人がこの問題に関心を持つことだろう。
「原発がどんなものか知ってほしい」という記事について。
原発の現場で20年間働いていた人が書いたものだ。
読んでいるうちに、私は何年か前にこの記事を読んだことを思い出した。
一言で言うなら、「もやもやとした、しかし確実な恐怖」。
衝撃的なことは、著者の平井さんは原発の放射能による癌のため、13年前に亡くなっているということだ。
原発は放射能を環境に放出し続ける。
だから発癌リスクが高まる。仮に全く健康でも「原発の近くに住んでいた」ということで差別を受ける。
原発自体も放射性廃棄物となるので、運転をやめた後に壊すことも放置することもできない。
原発問題に対する社会の態度は「臭いものには蓋」ということなのだろうか?
しかし、臭いものが蓋を抜け出して、土や空気や水や食べ物を汚染したら?
最悪の場合、蓋をブチ破って地球上にまき散らされたら?
平井さんが記事を書いた時代は、世界的に原発を減らす流れにあったと思う。
しかし、最近はアメリカを含め原発の利用が見直されてきているようだ。
「CO2を排出しない」「原油価格の影響を受けない」素晴らしいエネルギーだというのだ。
ここで、素朴で当然な疑問が浮かぶ。
平井さんのときと比べ、原発問題はどれくらい解決されたんだろう?
例えば、原発の修理のときはヒトが大量の放射線を浴びる。
場合によっては、数秒で許容線量を超えてしまうらしい。
当時はロボットが使えなかったということだが、今はどうなのだろうか?
また、平井さんによれば原発を作るのも点検するのも素人で、杜撰な管理体制だったという。
事故や故障も頻繁に起こり、あと0.7秒遅ければ核爆発を起こしていた事件もあったという。
今はどうなのだろうか?
原発問題に関し、私達が取りうる方法は少なくとも2つある。
一つは政治的解決で、原発の管理体制をしっかりすること。
もう一つは技術的解決で、作業ロボットや核処理技術などの開発を進めること。
もうひとつ言うなら、多くの人がこの問題に関心を持つことだろう。
←クリック一発ずつ、清き
一票をお願いします!
一票をお願いします!
category: 未選択
DATE : 2010.08.06 (Fri) 23:41
DATE : 2010.08.06 (Fri) 23:41
広島の平和記念式典に参加してきた。
朝7時頃には参列者でいっぱいになると聞いていたので、6時半には現地に着いた。
式典自体は8時からスタート。
直射日光が降り注ぎ、蝉は大合唱。
65年前に原爆が落ちた時もこうだったのだろうか。
やはり、現地に来るととてもリアリティーがある。
8時15分、厳かな雰囲気の中で黙祷。
その後、内閣総理大臣、広島県知事、国連事務総長のスピーチを聞く。
献花には、各国代表に加え、長妻厚生労働大臣も訪れていた。
今日休暇を取って広島に来たのは、別枠の潘基文(バンギムン)国連事務総長のスピーチを聞くため。
Bigな人はオーラというか、周りを感化するエネルギーを発散している。
だから、そういう人の話を伺う機会があるときは、出来る限り伺うことにしている。
スピーチ会場の入り口には長蛇の列が出来ていたので、入れるかどうかヤキモキした。
スピーチの内容は、「広島という枠を超えて、世界市民として、平和の実現のために協力しましょう」というものだった。
やはり、国連事務総長ともなると話の内容や言葉のスケールが違う。
物事は、大きな視点から眺めたいものだと思った。
朝7時頃には参列者でいっぱいになると聞いていたので、6時半には現地に着いた。
式典自体は8時からスタート。
直射日光が降り注ぎ、蝉は大合唱。
65年前に原爆が落ちた時もこうだったのだろうか。
やはり、現地に来るととてもリアリティーがある。
8時15分、厳かな雰囲気の中で黙祷。
その後、内閣総理大臣、広島県知事、国連事務総長のスピーチを聞く。
献花には、各国代表に加え、長妻厚生労働大臣も訪れていた。
今日休暇を取って広島に来たのは、別枠の潘基文(バンギムン)国連事務総長のスピーチを聞くため。
Bigな人はオーラというか、周りを感化するエネルギーを発散している。
だから、そういう人の話を伺う機会があるときは、出来る限り伺うことにしている。
スピーチ会場の入り口には長蛇の列が出来ていたので、入れるかどうかヤキモキした。
スピーチの内容は、「広島という枠を超えて、世界市民として、平和の実現のために協力しましょう」というものだった。
やはり、国連事務総長ともなると話の内容や言葉のスケールが違う。
物事は、大きな視点から眺めたいものだと思った。
←クリック一発ずつ、清き
一票をお願いします!
一票をお願いします!
category: 未選択
DATE : 2007.05.08 (Tue) 12:54
DATE : 2007.05.08 (Tue) 12:54
5月7日~9日までの国際疼痛学会に参加するため、6日にデンマーク入りした。
レンガ造りの美しい建物が立ち並ぶ、おとぎの国のようなところだ。
私の発表は初日の16時半頃に予定されている。
これが今回の仕事のメインだ。
そんなときに限ってトラブルは起こるものなのだろうか。
学会費を払うためにキャッシュ(デンマーククローネ)を引き落とさなければならない。
バスターミナルの近くにATMがあったので、いつもの通りクレジットカードを入れようとしたが・・・入らない。
カードの挿入角度をいろいろ変えてトライしていたら、あろうことか、小さな溝のようなところにカードが落ちてしまった!
落ちたというよりも、入ってしまったというほうが近いかもしれない。
穴を覗き込むと、わずかcm先に明らかにカードは見えるのだが、取れないのだ。
「怪しまれるかな?」と思いつつシャープペンなどでほじくり出すことを試みたが、どうやら機械を開けないと無理のようだ。
時は朝の8時。
ATMは不動産のオフィスの隣にあるのだが、人の気配はない。
「どうしたものか」と思い周りを見渡すと、どうやら駅のチケット売り場は開いているようだ。
駅の人に事情を説明したところ、「それは銀行に行って話をしなければいけない」ということになった。
しかし、銀行の名前が分からない。
何せATMに書いてないのだ。
しばらくするとそのATMでキャッシュをおろしている人を見かけたので、話しかけてみた。
その初老の男性はとても親切な方で、銀行の名前と場所を丁寧に教えてくれた。
しかし銀行は10時にならないと開かないという。
諸々の用事を済ませて、10時に「SPAR NORD」銀行に行く。
受付で事情を説明したところ、銀行員2~3人がデンマーク語でなにやら話し込み始めた。
しばらくすると担当者(中年女性)が現れてこう言った。
「カードが本当にあなたのものか確認を取るため、カード会社からそれを証明するファックスかメールを私宛てに送って欲しいのですが」
そして名刺を渡された。
「今日の12時までに確認が取れたら、カードをお渡しできます」
あと2時間しかないではないか!
カード会社の連絡先を控えてこなかったので、「どうしたものか」としばらく考える。
「そうだ、妻に相談してみよう」
日本時間は18時頃。
運良く妻は手が空いていたようで、私の携帯メールにすぐに応えてくれた。
おそらくネットで連絡先を検索してくれたのだろう。
海外でトラブったときに助けられるのは、大変ありがたいものだ。
よくあることだが、この手のトラブルのときに窓口に相談すると、何回も担当者が代わったりして結構時間がかかる。
実際「ここに相談して欲しい」といって違う連絡先を紹介され、2回電話をかけなおす必要があった。
とはいえ日本時間で17時過ぎでも日本語で対応してくれるのは、心強い。
最終的にはカード会社の原さんという男性に対応していただいた。
「今からファックスの文面を考えるので、もう少し時間がかかります」
時はデンマーク時間で11時半頃。
残り時間はあと30分を切っている。
再びSPAR NORD銀行に行く。
「日本からの連絡はまだ来ていませんか?」と聞いてみたが、どうやらまだのようだ。
ベンチに座ってしばらく対応策を考えていると、例の担当者がピンクの紙を片手に早足で近づいてきて、
「日本からFAXが来ました!」
チラッと見ると、数行に渡る英語の文面に続いて、漢字で「原 ○○」とサインがしてあるではないか。
原さんが神様にも思えた、と言うと言い過ぎだが、とにかくありがたかった。
銀行の担当者の顔にも笑顔があった。
そして、ATMのある不動産オフィスにクレジットカードを取りに行く。
私と同年代と思しき男性が現れて、
「待ってたよ。何か証明書を見せてくれないか?」
と言う。割と感じのいい男だ。私はパスポートを見せつつ言った。
「ここオールボーはきれいなところだねぇ」
***
その後ケバブの店(スウェーデンでもよく見かけた)で軽く昼食を取り、学会会場のオールボー大学へ向かう。
会場に入ると、200人近く入るレンガ造りの講堂はびっしり満席だった。
私の発表まであと1時間半ほど。
発表者達は次々と流暢に英語で話していくので、ちょっと辟易する。
「まぁしかし、それで私の発表の内容が変わるわけでもない。」
私は伝えるべきことを、いつものように話した。
15分間ほどだったろうか。
途中で笑いを取ることができ、最後には拍手が起こった。
デンマークでの私の仕事は終わった。
あと2日間は、気楽に過ごせばいい。
この世で偶然に起こることはないと言う。
今回の出来事も必然だったのだろうか。
今後の私の人生の糧になるという意味では、必然であったに違いない。
レンガ造りの美しい建物が立ち並ぶ、おとぎの国のようなところだ。
私の発表は初日の16時半頃に予定されている。
これが今回の仕事のメインだ。
そんなときに限ってトラブルは起こるものなのだろうか。
学会費を払うためにキャッシュ(デンマーククローネ)を引き落とさなければならない。
バスターミナルの近くにATMがあったので、いつもの通りクレジットカードを入れようとしたが・・・入らない。
カードの挿入角度をいろいろ変えてトライしていたら、あろうことか、小さな溝のようなところにカードが落ちてしまった!
落ちたというよりも、入ってしまったというほうが近いかもしれない。
穴を覗き込むと、わずかcm先に明らかにカードは見えるのだが、取れないのだ。
「怪しまれるかな?」と思いつつシャープペンなどでほじくり出すことを試みたが、どうやら機械を開けないと無理のようだ。
時は朝の8時。
ATMは不動産のオフィスの隣にあるのだが、人の気配はない。
「どうしたものか」と思い周りを見渡すと、どうやら駅のチケット売り場は開いているようだ。
駅の人に事情を説明したところ、「それは銀行に行って話をしなければいけない」ということになった。
しかし、銀行の名前が分からない。
何せATMに書いてないのだ。
しばらくするとそのATMでキャッシュをおろしている人を見かけたので、話しかけてみた。
その初老の男性はとても親切な方で、銀行の名前と場所を丁寧に教えてくれた。
しかし銀行は10時にならないと開かないという。
諸々の用事を済ませて、10時に「SPAR NORD」銀行に行く。
受付で事情を説明したところ、銀行員2~3人がデンマーク語でなにやら話し込み始めた。
しばらくすると担当者(中年女性)が現れてこう言った。
「カードが本当にあなたのものか確認を取るため、カード会社からそれを証明するファックスかメールを私宛てに送って欲しいのですが」
そして名刺を渡された。
「今日の12時までに確認が取れたら、カードをお渡しできます」
あと2時間しかないではないか!
カード会社の連絡先を控えてこなかったので、「どうしたものか」としばらく考える。
「そうだ、妻に相談してみよう」
日本時間は18時頃。
運良く妻は手が空いていたようで、私の携帯メールにすぐに応えてくれた。
おそらくネットで連絡先を検索してくれたのだろう。
海外でトラブったときに助けられるのは、大変ありがたいものだ。
よくあることだが、この手のトラブルのときに窓口に相談すると、何回も担当者が代わったりして結構時間がかかる。
実際「ここに相談して欲しい」といって違う連絡先を紹介され、2回電話をかけなおす必要があった。
とはいえ日本時間で17時過ぎでも日本語で対応してくれるのは、心強い。
最終的にはカード会社の原さんという男性に対応していただいた。
「今からファックスの文面を考えるので、もう少し時間がかかります」
時はデンマーク時間で11時半頃。
残り時間はあと30分を切っている。
再びSPAR NORD銀行に行く。
「日本からの連絡はまだ来ていませんか?」と聞いてみたが、どうやらまだのようだ。
ベンチに座ってしばらく対応策を考えていると、例の担当者がピンクの紙を片手に早足で近づいてきて、
「日本からFAXが来ました!」
チラッと見ると、数行に渡る英語の文面に続いて、漢字で「原 ○○」とサインがしてあるではないか。
原さんが神様にも思えた、と言うと言い過ぎだが、とにかくありがたかった。
銀行の担当者の顔にも笑顔があった。
そして、ATMのある不動産オフィスにクレジットカードを取りに行く。
私と同年代と思しき男性が現れて、
「待ってたよ。何か証明書を見せてくれないか?」
と言う。割と感じのいい男だ。私はパスポートを見せつつ言った。
「ここオールボーはきれいなところだねぇ」
***
その後ケバブの店(スウェーデンでもよく見かけた)で軽く昼食を取り、学会会場のオールボー大学へ向かう。
会場に入ると、200人近く入るレンガ造りの講堂はびっしり満席だった。
私の発表まであと1時間半ほど。
発表者達は次々と流暢に英語で話していくので、ちょっと辟易する。
「まぁしかし、それで私の発表の内容が変わるわけでもない。」
私は伝えるべきことを、いつものように話した。
15分間ほどだったろうか。
途中で笑いを取ることができ、最後には拍手が起こった。
デンマークでの私の仕事は終わった。
あと2日間は、気楽に過ごせばいい。
この世で偶然に起こることはないと言う。
今回の出来事も必然だったのだろうか。
今後の私の人生の糧になるという意味では、必然であったに違いない。
←クリック一発ずつ、清き
一票をお願いします!
一票をお願いします!
忍者ブログ [PR]